告知義務違反を徹底検証!2年は解除、5年で時効の真実とは

「告知義務違反をしても、2年過ぎれば大丈夫。」

っていう都市伝説みたいな話を聞いたことがある人は、たくさんいらっしゃると思います。

 

そんなうまい話って本当にあるのでしょうか。もし本当であれば、誰も正直に告知なんかしないですね。

 

しかし、正直者がバカを見るのは世の常です。告知義務違反をしても、ちゃっかり保険金をもらっている人は少なからず存在します。

この記事では、告知義務違反の4つの事例(精神疾患・大腸ポリープ・妊娠・B型肝炎キャリア)を、徹底検証いたします。

 

情弱
正直者が馬鹿をみるってこと?
鴨ねぎ
食べられたくない、でもお金は欲しい!
情報弱者やカモは、俺様の金づる・飯のネタ♬
腹黒

 

告知項目とは?

まず、告知項目を紹介します。

生命保険や医療保険、共済に加入するとき、健康状態や病院への通院歴などを告知する必要があります。

告知の方法は、告知書に記入するか、医師に口頭で行います。

 

一般的な告知事項は、次のとおりです。

病気やケガ、治療状況(経過観察・治療中・完治など)の告知によって、契約に条件が付いたり、加入できなかったりします。

なかには、風邪やインフルエンザは告知しなくてもよいという保険会社もあります。

一般的な告知事項

①過去3か月以内に、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか

②過去5年以内に病気やけがで初診日から最終受診日まで7日以上の期間にわたり、医師の診察・検査を受けたこと、または7日分以上の投薬を受けたことはありますか

③過去5年以内に病気やけがで手術を受けたことがありますか

④今までにがんと診断されたことはありますか

⑤過去2年以内に健康診断・人間ドッグ・がん診断などを受けて、要経過観察・要再検査・要精密検査・要治療を指摘されたことがありますか

⑥現在妊娠していますか(女性のみ)

告知義務違反となる根拠(約款)

次に、保険会社が契約を解除できる根拠(約款規定)を紹介します。

保険会社が契約を解除したり、無効とすることができるのは、約款で定められた3つの条項によります。

ひとつは「告知義務違反による解除」、続いて「詐欺による取消しおよび不法取得目的による無効」、そして「重大事由による解除」です。

告知義務違反による解除

責任開始日から2年以内に告知義務違反が判明した場合、保険会社は契約を解除することができます。

契約が解除されると解約返戻金があれば返金されますが、これまでに支払った保険料は1円も戻ってきません。

ただし、営業担当者が告知を妨げたとき(不告知教唆ふこくちきょうさを含む)は、保険会社は解除することができません。

 

では、2年以内に告知義務違反がばれなければ大丈夫かというと、残念ながらそんなことはありません。

保険契約の解除には、責任開始日から2年以内に保険金・給付金の支払事由(死亡・入院・手術など)が発生しなかったときを除くと、約款に定められているからです。

2年以内に保険金の支払事由があった場合、責任開始日から5年以内であれば、たとえ未請求であったとしても、告知義務違反によって契約が解除される可能性があります。

 

ポイントは2年以内の支払事由を請求したかどうかではなく、未請求の支払事由も含めて、保険会社が2年以内の支払事由を把握しているかどうかです。

なお、2年以内に支払事由があった場合、告知義務違反の期限が2年から5年に延長されることは、約款に明記されておりません。解除期限5年の根拠は保険法第55条4項です。

保険法では告知義務違反による解除期限は5年ですが、保険約款で2年以内に支払事由がない場合に限り、解除期限を5年から2年に短縮しています。

詐欺による取消しおよび不法取得目的による無効、重大事由による解除

詐欺による取り消しおよび不法取得目的による無効の例としては、診断書を偽造したり、ガンなのに告知しなかった、保険金殺人などの極端な事例です。

重大事由による解除の例としては、入院中に加入した、所得・年収に比べて著しく高い保険に加入した、などが挙げられます。

 

詐欺による取り消し及び不法取得目的による無効、および重大事由による解除は、責任開始日から何年経過していたとしても時効はありません。

詐欺による取消しおよび不法取得目的による無効と重大事由による解除こそ、告知義務違反をしても2年過ぎれば大丈夫と言いきれない根拠です。

 

なお、詐欺による取消しおよび不法取得目的による無効は、保険料、解約返戻金ともに返金はありません。重大事由による解除は、解約返戻金があれば返金されます。

 

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告知義務違反・4つの事例を徹底検証

ここからは、告知義務違反の事例を4つ検証します。

事例1-1.精神系疾患(うつ・パニック障害など)の通院歴があるA助さんのケース

責任開始日 2020年1月1日
告知事項  2016年1月より、うつ病で心療内科へ通院中(告知事項①と②に該当)
支払事由  2020年10月に”急性心筋梗塞”で入院、手術

 

A助さんは職場のストレスでうつ病になり、2年前から心療内科へ通院中です。

A助さんは精神系疾患は加入できないことを知っており、ばれなきゃ大丈夫と考え、心療内科への通院について告知しませんでした。

 

うつ病ではなく急性心筋梗塞で入院・手術をし、保険金の請求を行いました。A助さんの契約は、告知義務違反で解除となります。

うつ病と急性心筋梗塞は因果関係が認められませんので、急性心筋梗塞の入院・手術は支払われますが、契約は解除されます。

事例1-2.精神系疾患(うつ・パニック障害など)の通院歴があるA子さんのケース

責任開始日 2020年1月1日
告知事項  2017年1月より、うつ病で心療内科へ通院中(告知事項①と②に該当)
支払事由  ①2020年10月にうつ病で10日入院(未請求)、②2023年10月にうつ病で50日入院

 

責任開始日より2年以内は、告知義務違反で契約が解除されることを知っていたA子さん。2年以内の支払事由①は請求しませんでした。

責任開始日より2年経過したことで安心したA子さんは、支払事由②2023年10月にうつ病で50日入院の請求手続きを行いました。

その際に、支払事由①が保険会社にばれてしまいました。A子さんの契約はどうなるでのしょうか。

 

告知義務違反となり、①・②ともに対象外、契約も解除されます。

責任開始日より2年以内の支払事由(入院)を請求したかどうかではなく、発生さえしていれば契約解除の要件になります。

意図的に保険金請求の時期をずらすことを、業界用語では「請求操作」なんて呼んでいます。

事例2.大腸ポリープの手術歴があるBさんのケース

責任開始日 2020年1月1日
告知事項  2019年3月に日帰りで大腸ポリープを切除(告知事項③に該当)
支払事由  2021年10月に白内障の手術

 

Bさんは2019年3月に日帰りで大腸ポリープを切除したことをすっかり忘れており、何も告知することなく医療保険に加入しました。

今回、白内障の手術を請求しました。Bさんの契約はどうなるのでしょうか。

 

原則は告知義務違反となり、支払解除となります。

しかし、保険会社によっては、白内障の手術を支払のうえ、大腸に部位不担保の条件を付けて契約継続を認める可能性があります。

告知義務違反で契約を解除するかどうかは、告知があった場合の引受基準によって決まります。

その結果、契約が解除されるか、部位不担保で継続されるか、無条件で継続などになります。

なお、いずれのケースでも、白内障の手術は支払われます。

事例3.妊娠検査薬で陽性反応が出たCさんのケース

責任開始日 2020年1月1日
告知事項  現在妊娠中(告知事項⑥に該当?)
支払事由  2020年5月に切迫早産で入院
※2019年12月24日に妊娠検査薬で陽性反応あり。その後、2020年1月10日に産婦人科で妊娠の診断

 

保険会社によっては見解が分かれるところですが、責任開始日が産婦人科での妊娠診断より前ですので、告知義務違反にはあたらず、切迫早産での入院は支払い、無条件で契約も継続するところが多いです。

 

オリックス・キュアのように、妊娠検査薬で陽性反応が出ている場合も含む、という保険会社もあります。

ただし、告知義務違反は保険会社が立証しなければならず、妊娠検査薬の陽性反応を主張するのは困難です。

妊娠検査薬での陽性反応は”ぎりぎりセーフ”といったところでしょうが、おなかの子供に手をあてて、保険加入を検討していただきたいですね。

事例4.B型肝炎キャリア・Dさんのケース

責任開始日 2020年1月1日
告知事項  なし
支払事由  2021年10月にB型肝炎で入院
※20年前にB型肝炎キャリアと指摘された。しばらく通院治療をしていたが病状が安定。2012年1月を最後に病院へは一切行っておらず投薬もしていない。

 

上記のとおり、告知事項には一切該当がありません。

責任開始日より2年以内のため、告知義務違反は問えませんが、責任開始期前発病として、保険会社は支払いを拒むことができます。

 

また、詐欺による取消しおよび不法取得目的による無効により、契約が取消し・無効になる可能性があります。

詐欺による取消しおよび不法取得目的による無効は、B型肝炎のように現代の医学では治癒することができない病気にも適用されることがあります。

 

仮に支払事由(入院)が2022年1月以降であれば、責任開始期前発病は問えず、保険金が支払われます。

ただし、保険会社から詐欺による取消し、および不法取得目的による無効を主張される可能性も否定できません。

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まとめ

上記事例1~4は、保険会社が告知義務違反などを知りえたという前提で紹介しています。

言いかえると、保険会社が告知義務違反の情報を得ることができなければ、契約が解除されたり取消されたりすることはありません。

 

しかし、保険会社がその気になれば、医師への面談、健康保険の使用履歴、調査員の派遣、弁護士による他社との情報共有など、ありとあらゆる手段を使って調査も可能です。

「告知義務違反をしても、ばれなければ大丈夫」って安易に考えることなく、正確に告知したうえで保険加入することをおすすめいたします。

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