通院特約は必要?医療保険・傷害保険・がん保険の支払事情

2000年代前半まで、国内大手社の総合パッケージ保険や外資系の医療保険に、特約として通院保障を付けることができました。

ところが、生命保険会社各社の相次ぐ保険金不払い・支払漏れ問題が発生した2005年頃から、各社一斉に通院保障”の新規契約取り扱いを取りやめています。

理由は、支払い漏れの大半が通院特約だったからです。通院特約の請求は大量の領収書が添付されているケースが多く、基本的に人間の目で最終チェックしています。

当時はシステム対応ができず、人的ミスにより支払漏れが起こりやすかったのです。

 

令和の時代になると、アフラック、メットライフ、あんしん生命などをはじめとして、通院特約の販売再開をする保険会社が増えてきています。

通院保障は保険会社にとって利益の出しにくい商品、つまりサービス的な位置付でもありました。

システム対応もすすみ、支払い漏れのリスクも少なくなってきています。

今回は、通院特約の支払事情について、ご紹介いたします。

医療保険・通院特約の支払事情

医療保険・通院特約の支払要件は、入院前後の一定期間、30日を限度に保障されるのが一般的です。

通院該当要件として、①病院または診療所への通院治療であること②病院または診療所には柔道整復師法に定める施術所を含みます。

ただし、四肢における骨折、脱臼、捻挫または打撲に関し施術を受ける場合に限る、という条件があります。

なお、入院をしていないと、医療保険の通院特約は対象外です。

通院特約の支払事例

通院特約が対象となるかどうか、交通事故に遭ったAさんの事例をもとに紹介します。

 

幸いにも手足の骨折などはなかったものの、むち打ち症状(腰や頸椎の痛み)があり、総合病院で10日間入院しました。

退院後、3回ほど総合病院で外来受診しましたが、特段の異常は認められず、今後は近所の整骨院で治療を継続することにしました。

整骨院は自宅から近く、痛みもなかなかひかなかったため、Aさんは3カ月ほど毎日のように通いました。

その甲斐もあって、退院から4か月後にはむち打ち症状もなくなり、日常生活を取り戻したAさんは、保険の請求を行うことにしました。

 

Aさんは、入院日額10,000円と通院日額3,000円の保険に加入しており、入院給付金10,000円×10日分=100,000円と通院給付金3,000円×30日分=90,000円、合計で190,000円が支払われると試算していました。

ところが、実際に支払われたのは、入院100,000円と通院9,000円、合計109,000円でした。

もしかして支払い漏れかと不審に思ったAさんは、保険会社に問い合わせしたところ、保険会社から”総合病院への通院3日分のみお支払い対象です”と回答がありました。

 

なぜ総合病院への通院3日分しか支払われなかったのでしょうか。

Aさんは手足に骨折はなく、むち打ち症状により通院していたため、上記②が適用され、整骨院への通院分がお支払い対象外となってしまったのです。

仮に、Aさんが足を骨折しており、足の治療のために整骨院へ通っていたとしたら、通院給付金は30日分お支払い対象でした。

しかし、Aさんのように、腰や頚椎の痛みで、病院ではなく整骨院に通院した分は通院特約の対象外です。

傷害保険・通院特約の支払事情

傷害保険の通院特約の支払要件には、”入院”の要件はありません。

ただし、むちうち症、腰痛などのうち画像検査等で異常が認められないものは対象外です。

また、傷害保険ですので、疾病による通院も対象外です。

ご注意点として、事故日から180日以内の通院が対象になります。

がん保険・通院特約の支払事情

支払要件に”入院”があるかどうかは、保険会社、保険契約時期によって異なります。

古いタイプのがん保険は入院要件あり、新しいタイプは入院要件なしが多いです。

共通しているのは、がんを直接の目的とした通院が支払要件であることですね。

通院特約・請求のポイント

保険金請求に際して、診断書や領収書などを提出するのが基本です。

ただし、保険会社や請求金額(100,000円以下など)によっては、みずから通院した日に○を付けて診察券のコピーを提出すればOKな場合も多いです。

通院の領収書は何十枚にもなってコピーが大変です。必要のないケースもありますので、無駄な手間暇時間をかけることのないよう、あらかじめ保険会社に確認するのがよいですね。

 

あまり大きな声では言えませんが、通院の領収書をチェックするのは、結構骨の折れる業務です。

なかには、通院特約が付いていないのに何十枚も通院(外来)の領収書を添付してくる人もいます。

もしかしたら、1枚くらい入院分があるかもしれないので、全件チェックしないわけにはいきません。

 

そもそも、通院特約が付いていないのに通院(外来)の領収書を保険金請求書類に添付するのは、ぜひやめていただきたいですね。

何も生み出さず、誰も得をしない、契約者・保険会社双方にとって無駄な行為です。得をするのは、コピー代が儲かるコンビニくらいでしょうか。

まとめ

通院特約は費用対効果の観点から、損益分岐点が微妙なところです。通院特約の保険料分だけを貯金することも、現実的ではありません。

がん保険なら通院特約がある商品、医療保険でも入院前後の通院も保障される商品でしたら、加入の検討をおすすめいたします。

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